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zoom RSS 構造計算偽装:問題点がすり替わってる……

<<   作成日時 : 2007/10/20 21:12   >>

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例によって、ではあるんだが……
asahi.comより『関与の8物件、すべて下請け 構造計算書偽造問題』

 埼玉県の遠藤孝・1級建築士(60)による構造計算書偽造問題で、これまでに八つの関与物件が判明し、いずれも同建築士が以前働いていた東京都内の会社からの下請けだったことがわかった。下請けの事実は発注者や元請けに知らされていなかったケースがほとんど。同社は「『丸投げ』と批判されても仕方がないケースもあった」としており、安易な下請け発注が「偽装」の背景となった可能性が浮上した。

 国土交通省によると、遠藤建築士が構造計算を担当した物件は全国に少なくとも約70件あることが判明。横浜市内のマンション(工事中止)の構造計算書偽造を15日に同省が公表した後、6都県の公共施設と横浜市内の大学施設、計7物件への関与をそれぞれの発注側が公表した。

 遠藤建築士に下請けに出したのは東京都中野区の情報サービス会社「構造計画研究所」。構造設計業界で大手に数えられる。8件のうち1件は発注者から設計・監理を直接受注して一部を遠藤建築士に委託。ほか7件は元請けの設計事務所から構造計算について委託され、遠藤建築士に再委託したとされる。遠藤建築士がそれぞれの設計をしたのは89〜98年ごろとみられる。

 同社によると、遠藤建築士は80年代半ばごろまで十数年間、同社に勤務。独立後、しばしば同社から仕事を請け負っていたが、親しかった職員の退職により、最近7、8年は業務委託はなかったという。

 改ざんが明らかになった横浜のマンションの構造設計は都内の設計事務所が昨年11月に同社に委託。繁忙期だったため社内で対応しきれず、OBの遠藤建築士に依頼した。約束した期限を10日ほど過ぎて納入された。

 遠藤建築士は「NG」と打ち出された計算結果の上に「OK」と紙を張るなどの細工を約170カ所施し、計算結果を偽造。「電子データで結果を提供させれば偽造がわかったはず」(国交省)という指摘もあるが、同社は見破れないまま、自社が設計したように書類を整え、元請けに提出した。

 他の7物件について、発注者の各都県などからは「再委託しているとはまったく知らなかった。下請けに出す場合に必要な書類も提出されていない」(愛媛県建築住宅課)という声も聞かれる。「大手だから信頼していたのに、勝手に下請けに出していたとは」と憤る担当者もいる。

 同社は「過去の実態は調査中だが、横浜の分は『丸投げ』と言われても仕方がない。OBということでチェックが甘くなった面もある」という。

 国交省によると、設計業務の丸投げについてはこれまで法的に明確な規制はなく、実態は不透明という。一連の耐震強度偽装事件などを受け、来年12月までに施行される予定の改正建築士法に「再委託の制限」規制が盛り込まれる。


まず最初に、実態の話を。

現実問題として、大手設計事務所やゼネコンと言えども、建物全体から二次部材や外構その他すべての設計を自社の設計者だけでやってるわけではないです。
というより、実態はかなりの部分を外注に頼っています。
そして、今までの慣習として、そうした「外注」あるいは「再外注」について、いちいち顧客に断っているケースは少なかったと思います。

もちろん、決してその全てが「丸投げ」というわけではありません。
自社内で出来る限りのチェックを行います。

ただ、ある程度のところは、お互いの信頼関係に頼るところも大きいわけです。
「誠実に仕事を果たす」という事が、自社と外注事務所との「契約」なのですから。

姉歯の件にしても、今回の件にしても、

偽装を行った当の構造設計者が、自らの職務を誠実に果たさなかったことが最大の問題

であるわけです。

マスコミにしても行政にしても、どうも問題点を安易に「無断で安易に再外注してるのが悪い」というような方向に話を持っていきたがってる節があるのですが、私は本質はそこではないと思っています(もちろん無関係だというつもりもありませんが)。

一義的には、上に書いた「個人の誠実さの欠如」

そしてその次には、個人が誠実さを欠くに至る環境の悪さ
それはつまり何の事かというと、「構造設計者の立場の悪さ(地位の低さ)」だと思うわけです。

意匠設計者は「顧客優先」の名の下に、構造設計者が「条件がフィックスされてから構造設計を終わらせるまでに、これくらいの期間は必要」と考える期間を過ぎても、顧客が要求する変更を、安易に(というのは言い過ぎかもしれませんが、結局断り切れずに)飲んでしまう。
そして、直接顧客とのやりとりが少ない構造設計者に、そのしわ寄せがくる。(意匠設計者の外注である場合は、その傾向がより顕著になるでしょう)
この傾向は、昔からちっとも変わりません。それどころか、最近むしろひどくなっている気がします。
すべての意匠設計者がそうだとは言いませんが、多分私の会社の意匠設計者などはまだマシな方で、個人レベルでやっている中小あるいは零細の構造設計事務所などは、相当ヒドい目にあっているんじゃないかと思います。

大半の構造設計者は真面目に誠実に仕事をこなそうとしている中で、規制は強くなり、運用のルールも厳しくなり、作業は増え、あまつさえ立場も向上しないと言うのでは、そのうちこの国で構造設計者になりたいと思う人間はいなくなるでしょう。

そのことが、私は不安でなりません。
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