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zoom RSS 挿入歌考:第8回「Touch the Fire」

<<   作成日時 : 2005/03/12 20:21   >>

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 今回は、以前に番外編1でも触れた「Project DMM」(以下「DMM」)の歌を紹介したい。(念のために断っておくが、これは当初から予定していたことで、別に圧力がかかったわけではない)

 タイトルの曲は、「ウルトラマンコスモス」の挿入歌で、数ある「コスモス」の曲の中でも、主題歌・エンディングテーマを除けば、個人的に一番印象に残っている曲である。その印象があまりに強かったため、番組中における初出が第16話だと言うことを知ったときには、少々意外な気がした。もっと初期の頃から流れていたように感じていたからだ。

 さて、その第16話「飛ぶクジラ」であるが、このエピソードは「空飛ぶクジラ」という、一見メルヘンチックなシーンから始まる。
 実はこのクジラは、「いつかクジラと一緒に泳ぐ」という夢を、友達の少年に「無理だ」と一蹴されて悔しい思いをした一人の少女が、カオスヘッダーの影響を受けて作り出した幻影だった。
 さらにカオスヘッダーは、憎しみの感情を強めていく少女の肉体を取り込んで「カオスジラーク」として実体化。自分の夢を否定した少年に向けて光球を叩きつける……!

 シリーズ全体を通し、ウルトラマンコスモスの「宿敵」と呼べる存在として登場するカオスヘッダー。それまでは、怪獣に取り憑き凶暴化させるウイルスのような存在として登場するが、その目的や意図は不明である。というより、カオスヘッダーが「意思」を見せる描写は、それまでのエピソードにはまったくない。この回で初めて人間の「心」に接触し、それを利用することを覚えたわけである。
 その後のシリーズでカオスヘッダーは、次々に人間の心のデータを取り込んでそれを学習し、ついには一人の少年の父親の体を取り込んで「カオスヘッダー・イブリース」として実体化(第26話「カオスを倒す力」)。
 第29話「夢見る勇気」では、怪獣の姿に化けてコスモスをだまし、コスモスが怪獣を助けようとして力を使い切ったところで「カオスヘッダー・メビュート」の正体を現し、コスモスを攻撃するという狡猾さを見せるが、この狡猾さも人間の心から学習したものらしい。
 カオスヘッダーは、ついにはムサシ=ウルトラマンコスモスを襲撃。その記憶を学習して「カオスウルトラマン」への実体化まで遂げてしまう(第39話「邪悪の光」)。
 そうしたカオスヘッダーの進化の過程を示す、最初のエピソードと言える第16話は、シリーズの重要なポイントのひとつである。

 あわや少年が光球に飲まれる! というその瞬間、金色の光がカオスジラークの光球を阻む。
 少年を救った金色の光は、徐々にその輪郭を形作り、ウルトラマンコスモス・ルナモードの姿をとる。その映像にかぶせて、この曲が始まる。

君の果てない力に 愛と希望と
灼熱の夢 賭けよう
その手に…

大地を切り裂き 目覚める闇の力
見据えた視線は 逃さず捉えている

約束された 正義の明日を
今日も守り続けているのさ

熱く燃える君だけが 愛も希望も
失くさず Touch the Fire
二度と新しい日々の 邪魔はさせない
さあ立ち向かえ 僕らのHERO


「Touch the Fire」
(「ウルトラマンコスモス」より)
 作詞:KATSUMI
 作・編曲:大門一也
 歌:Project DMM


 コスモスの中では、怪獣などの攻撃を受けて人間が危機に陥った瞬間を、出現した光=コスモスが身を挺してかばう(正面から受け止めるのではなく、ふところでかばって攻撃を背中で受け止めるのがコスモスの特徴である)という演出が比較的多用されているが、金色の光が徐々にコスモスの実体をとっていく映像に、イントロなしで始まるこの曲の歌い出しが良くマッチして、印象深いシーンに仕上がっている。

 作詞のKATSUMI氏、作曲の大門一也氏は、いずれもDMMの一員。KATSUMI氏がどちらかというと高音で甘い声質であるのに対して、大門氏は対照的に男性的で力強い声質である。DMMの3人目、松原剛志氏は3人の中で一番若く、声質は二人の中間とでも言えばいいのか、時に甘く、時に力強く聞こえるのだが、これは他のベテラン二人の影響を交互に受けているのだろうかと思われる。
 DMMはウルトラマンの歌のために編成されたユニットであり、ここで取り上げた「コスモス」TV版、映画版の主題歌以外にも、「ウルトラマンネオス」主題歌のリアレンジ版「ウルトラマンネオス Type2001」、「ウルトラマンナイス」、映像作品としては日の目を見なかった「ウルトラマンノア」のイメージソング、そして現在放映中の「ウルトラマンネクサス」挿入歌「Fight the Future」……と、数々のウルトラソングを歌ってきている。これらの曲には、KATSUMI氏か大門氏のどちらかが作詞または作曲、あるいはその両方を手がけた曲が多く、歌い手としてばかりではない彼らの才能を見ることができる。
 また、新しいシリーズの曲だけでなく、DMMが歌う旧作品の主題歌メドレーやリアレンジ版等もあり、それらも聞いていてなかなか楽しい。

 グループとしてのDMMにひとつだけ苦言を呈するとすれば、(KATSUMIファンには怒られるかもしれないが)それはKATSUMI氏の歌い方にある。彼の持ち味は前に述べた高音の甘い声にあり、ソロの部分には独特の魅力があると思うのだが、3人が同時に歌う部分でその特徴が前面に出過ぎると、「グループとしての歌」の調和を乱してしまう場合があるのだ。
 合唱経験者の立場から言わせていただくと、複数の人間で歌う場合には、一人でうまく歌おうとすることよりも周囲にあわせることの方が大事である。特に絶対やってはいけないことが、演歌で言う「こぶしを回す」こと。合唱において個々人が勝手なビブラートをかけてしまうと、それはもはや合唱とは言えなくなってしまう。
 KATSUMI氏やそのファンの方々には申し訳ないのだが、できれば氏には「グループで歌うこと」をもう少し大切に考えて欲しい。それができれば、DMMというユニットは今まで以上に素晴らしいグループになると、私は思う。

 さて、「飛ぶクジラ」のストーリーはその後、少女が相手の体内に取り込まれているために責めあぐねるコスモスが逆にカオスジラークの攻撃でピンチに陥るのだが、そこで少女の夢を否定した件の少年が登場する。
 少年は少女に向かい、自分の正直な気持ちを訴える。自分には夢がなかったから、夢を素直に語る君がうらやましかったのだと。ドミニカ共和国という国では、クジラと一緒に泳ぐことができるから、一生懸命家の手伝い(余談だが少年の家はパン屋である)をしてお金をためて、きっといつか、君と一緒にクジラと泳ぐ。それが今のぼくの夢だ、と。
 少年の正直な心からの訴えに反応して、カオスヘッダーに取り込まれていた少女は自意識を取り戻し、同時にカオスジラークの体内から解放される。途端に苦しみだして攻撃の手がにぶったカオスジラークに向け、コスモスは「怪獣をおとなしくさせる癒しの光」フルムーンレクトを放つ。依り代を失ったカオスヘッダーは実体を維持できなくなって四散し、空の彼方へと逃げ去っていった。

 カオスヘッダーはその後、父親を取り込んで実体化した際にはその息子を愛する父親の心を制御することができず、結果としてコスモスにチャンスを与える結果となり、ついに最終エピソードにおいては自ら心を有することによって、宿敵であったはずのコスモスとの和解にすら達してしまう。
 本エピソード「飛ぶクジラ」は、そうしたカオスヘッダーの「進化」の第一歩として位置づけられる回であり、「人の心に勝てなかったカオスヘッダー」と「最後までルナモードのままだったコスモス」とが、最終エピソードの結末を暗示している、というのは、いささかうがち過ぎだろうか。

 ともあれ、今回御紹介した「Touch the Fire」が初めて映像と共に流れたのが、「ウルトラマンコスモス」のシリーズ最初のターニングポイントとも言える本エピソードだったというのは、非常に象徴的なことのように私には思える。

参考:挿入歌考:番外編1「プリマハム デカレンジャーソーセージCMソング」

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